日々のお勤め

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 仏教といえば、お坊さんがお経を読む場面を連想する方がほとんどではないでしょうか。朝早くに粛々とお勤めをし、また日が落ちる頃にお経を読み、合掌礼拝している。一般の方の多くがこんなイメージなのではないかと思います。

 宗派によって細かなお勤めのスタイルは異なりますが、だいたい一緒です。私ですと朝6時半と、夜8時半にお勤めをします。

私がお坊さんになる前、朝晩のお勤めは、僧侶の”義務”なのかなぁ…と思っていましたが、そうではありませんでした。



”お勤め”とは一体何のためにしているかというと、簡単にいえば「感謝」である、といえます。


お勤めをするということは、自分にご利益があるからやっているワケではなく、また義務感でやっているワケでもありません。浄土真宗においては「お念仏」は仏さまの”呼び声”です。お勤めは”仏さまの声”を聞かせていただいているのです。

だから、朝には「今日という1日を、一生懸命精進して過ごさせていただきます。」と仏さまに挨拶をして、

夜には「おかげさまで今日1日正しく生きることができました、有り難うございました。」と感謝をし、休むというのが理想です。

もちろん、悲しいことや腹立たしいことがあって、凛とした気持ちでお勤めできない時もあります。むしろその方が多いです。しかし、そんな時こそ阿弥陀さまの前に座り、両手を合わせて、この気持ちになったのは、本当は誰のせいなのか?ということを考え、自分の汚い部分を、見て見ぬ振りせずに、見つめさせていただく。そういう大切な時間でもあるのです。


 人間というものは物質的には肉体によってできています。しかしそれはあくまで半分の要素であって、もう半分の大切な要素は”精神”です。”肉体”と”精神”がともにバランスが取れていなければいけません。体の栄養は十分にとっているのなら、心の栄養補給もしなければいけません。

心の栄養分をいただくというのは、すなわち「仏さまの心」をいただくことです。

朝晩のお勤めを通して、心の栄養を仏様からいただいているのです。

体の栄養だけ取っているのでは、それは人間ではなくて動物と同じです。私たち人間は、なぜ人間なのかというと、「感謝」する、「反省」することができる生き物だからです。

だからお勤めが大事なんです。それもただ業務的なお勤めではなく、「生きたお勤め」を心がけたいところです。


 浄土真宗の代表的なお勤めは「正信偈(しょうしんげ)」です。

正式には「正信念佛偈(しょうしんねんぶつげ)」と言います。親鸞聖人の著書「教行信証」の行巻にある偈頌(げじゅ)といわれる歌です。

文明五年(1473年)に蓮如上人がこの「正信偈」と「ご和讃」を、毎日、お勤めしなさいと私たちの先祖に教えられ、それが今日まで大事に大事に受け継がれてきました。

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