龍樹菩薩が親鸞聖人に与えた影響



龍樹菩薩の著作「十住毘婆沙論」が親鸞聖人に与えた影響は大きいものです。

一つには、親鸞聖人の主張された、

”阿弥陀さまのはたらきによって、この今生きている現実の世界で、すでに仏のさとりを得ることが定まった状態”になること、すなわち「現生正定聚(げんしょうしょうじょうじゅ)」は、この龍樹菩薩の「十住毘婆沙論」がその根拠になっています。


「人よくこの仏の無量力威徳を念ずれば、即時に必定に入る。」(註釈版七祖16p)


これは、「阿弥陀さまの救いのはたらきである信心を疑いなく受け取れば、その瞬間に阿弥陀さまと同じさとりの身にさせて頂くことが定まる」ということを示したものと見ることができます。

親鸞聖人はこれをもとに、自身の著書「教行信証」の行巻、「正信念佛偈」において、


  「憶念弥陀仏本願 自然即時入必定」…「弥陀仏の本願を憶念すれば、自然に即の時に必定に入る」


と、阿弥陀さまのはたらきを褒め称えられています。


阿弥陀さまの救いのはたらきである「信心」を得た(届いた)瞬間に、さとりを得ることの定まった状態になるということは、口で「南無阿弥陀佛」のお念仏を称える前に、すでに「往生成仏」が定まっているということになります。

ということは、「お念仏を称える」ということは、「お浄土へ往生するための行」ではなく、すでに救われる身にしてくださった阿弥陀さまへの感謝という解釈になります。

先の「正信偈」のつづきにはこうあります。


 「唯能常称如来号 応報大悲弘誓恩」…「ただよくつねに如来の名(号)を称して、大悲弘誓の恩を報ずべしといへり」


阿弥陀さまの救いのはたらきである信心が届くことで私たちは阿弥陀さまのお浄土へ生まれる身に定まります。


私のするお念仏は、そのご恩への「感謝」として、たびたび「南無阿弥陀佛」を頂かせていただきましょう。

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